命を守るために知っておきたい熱中症の応急処置

2019-03-05
スポーツセーフティー

熱中症と言ってもいくつかの症状があり、重症度も異なって来ます。軽症であれば少し休むだけで良くなるかもしれませんが、重症の場合は首を氷で冷やしてもあまり効果は期待できません。

熱中症は最悪の場合には命を落としてしまう可能性があります！
適切な処置でプレーヤーの命を守るために知っておきたい、熱中症の対処方法をまとめました。

熱中症を出さないための対策についてはこちら↓

スポーツ現場での熱中症対策

涼しい場所に移動する

　冷房の効いた室内へ移動できるのがベストですが、野外で活動している場合は風通しの良い日陰へ移動させます。日陰がない場合はあらかじめテント等を準備し、扇風機等もあればさらに良いと思います。

衣服を緩める

競技によっては防具や衣服を厚着している場合があるため、可能な限り薄着にしましょう。

水分を飲ませる

　経口補水液やスポーツドリンクを飲ませましょう。自力で飲めない場合は救急車を呼ぶなどして医療機関へ連れて行きましょう。

体温を測る

　熱中症の症状は体温上昇なので、体温を測って現在の体温を把握しましょう。頭痛や吐き気といった症状だけで重症度判断するのではなく、しっかりと体温を測ることが重要です。そして体温の変化を確認する為にも１〜２分毎程度の頻度で計測し続けましょう。

体を冷やす

　首や脇の下に氷を当てて体を冷やす方法が有名ですが、これ単体だけではあまり効率的ではありません！

　熱中症の処置で重要なのは一刻も早く体温を下げることです。氷を使うよりも水風呂に入れたり、水をかけて蒸発させるなどの方法の方が効果的に体温を下げることができます。
　

　今回ご紹介した様な処置をしていても、体温が一向に下がらない場合は現場レベルでは体温を下げることが不可能ということです。迷わず救急車を呼ぶか、急いで病院へ連れて行きましょう。
　多くの地域で熱中症による搬送や死亡事故が発生しています。自分のチームや学校では１人も搬送者を出さないという強い気持ちで熱中症対策に取り組んで欲しいと思います。