アスレティックトレーナー が日常生活やスポーツにおける「健康」と「安全」について書いています

捻挫の応急処置こそしっかりと!

サッカーやバスケットボールなどの球技で最も多いケガが足首の捻挫です。捻挫でも足を内側に捻ってしまう内反捻挫が多く、足首の外側の靭帯を損傷してしまいます。経験した事がある人も多いと思いますし、何かしらの処置をすると思います。

そんな捻挫などのケガの応急処置として有名なのがRICE処置です。

多くの人が
捻挫=氷で冷やす
(アイシング)
というのはご存知だと思いますし、実施していると思います。

アイシングはRICEの中の「IICE」ですが、その他もしっかり行っていますか?捻挫を早く治すためには、ケガ直後の足首の腫れを最小限に抑える事が重要です。そして腫れを最小限に抑えて、早く練習に復帰するためにはアイシングだけでは不十分です。

今回はRICEのアイシング以外の処置について説明します。

PR

Compression:圧迫

足首を捻挫した場合、踝周辺が腫れてしまいます。

そこに弾性包帯などを使って圧迫をかけいく訳ですが、大腿部や肘などと違って足首は凹凸があるため十分に圧迫がかかりません。

そこで必要になるのが「U字パッド」です。

緩衝材などにも使うパッドで、ハサミで切って使うものや初めからU字になっているものもあります。切られていないものの方が他の用途にも使えるのでオススメです。(Amazonのリンクを貼っておくので良かったら)

緊急で必要な場合は100均で似たような硬めのスポンジを購入するか、ダンボール2枚程度を切ってテーピングなどで補強して使うという手もあります。

Elevation:挙上

足首を心臓よりも高く挙げてアイシングを行います。意外とアイシング中にこれをしない人が多いように感じています。そしてアイシング中だけでは不十分です。

ケガ直後の急性期と呼ばれる炎症が起きて腫れてしまう期間は受傷後2472時間と言われています。

よって、寝ている間も足首は腫れていきます。

さて「寝るときも圧迫して心臓より高くしている」という人はどの位いるでしょうか?

寝る時にも毛布などを重ねた上に足を置いて、足首が心臓より高い位置にある状態を作りましょう。

動かす

最近では必要以上の固定や安静期間は悪影響だという事が分かってきた事で、REST(安静)を
Optimal Load(最適な負荷)に置き換えたPOLICEという言葉も使われるようになりました。
ちなみに“P”はProtection(保護)の頭文字です。

REST(安静) も大切ですが、腫れが収まってきた辺りから少しずつ動かしていく必要があ流という事です。足の指や足首周囲筋のエクササイズ、可動域訓練などを痛みが無い範囲で実施する事で、低下してしまった足関節の機能を回復させてから練習に復帰することができます。


捻挫は靭帯などの組織を損傷した事によって痛みますが、腫れによる圧力によって感じる痛みもあります。腫れを最小限に抑えて早期に引かせる事で、結果的に競技復帰を早める事に繋がります。

捻挫だからといって軽視せず、復帰を早めるための処置をしっかり行いましょう。

PR