アスレティックトレーナー が日常生活やスポーツにおける「健康」と「安全」について書いています

アスレティックトレーナーとはなにか

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アスレティックトレーナーとは

 私はアスレティックトレーナーとして仕事をしています。皆さんはアスレティックトレーナーという職業をご存知でしょうか?トレーナーという言葉は様々な職業領域にて使われるため、アスレティックトレーナーと言われても何をする人なのか分かりづらいと思います。

 そこで今回はアスレティックトレーナー(AT)という仕事について説明します。アスレティックトレーナーはケガの応急処置や健康管理などを行ったり、場合によっては救急車を呼ぶ判断を行ったりします。スポーツチーム等ではメディカルスタッフの一員として医師などと協力して選手にリハビリテーションの指導をするなどスポーツ現場と医療現場の橋渡し役を担います。

 トレーナーに関わる資格

 日本には国家資格としてのアスレティックトレーナーという資格は存在しないため、トレーナーによって持っている資格は様々です。アスレティックトレーナーという役割に関わる資格について簡単に説明して行きます。

日本スポーツ協会認定アスレティックトレーナー

 日本の主な競技団体が加盟している日本スポーツ協会(旧:日本体育協会)という組織が発行している資格です。他にもスポーツドクターという医師向けの資格なども発行しています。

日本スポーツ協会HP

NATA-ATC

 アメリカのアスレティックトレーナーの資格で、アメリカでは医療資格として認められています。日本人は留学して取得する方が多いです。

https://www.jato-trainer.org

柔道整復師

 医業類似行為を行うことができる国家資格で、日本特有の資格となっています。名目上は「骨折」「脱臼」「打撲」「捻挫」等の急性期のケガに対する施術が業務となっているが、実際は腰痛などの慢性的な障害に対する施術も行っている。

鍼師

 医業類似行為を行うことができる国家資格で、鍼を使った施術を行うことができます。トレーナーとして仕事をする場合は他の資格も保持しているケースが多いです。

理学療法士

 ケガ・病気・加齢などによって生じた運動機能障害に対して、医師の指導のもと理学療法を行うことができる国家資格です。基本的には病院にてリハビリテーションを行うことが仕事になります。

民間療法系資格

上記の資格以外にも整体師やカイロプラクターなどの様々な資格が存在します。

 

7つの役割

1. 外傷・障害の予防

スポーツ中に起き得るケガの予防に努めます。予防のためのエクササイズ指導やテーピング等によるサポートを行い、ケガ発生のリスクを下げるための取り組みを行います。

2.スポーツ現場における救急処置

 ケガの応急処置から万が一の場合の救急対応まで行います。特に選手の命に関わる様な事故が起きてしまった際に、救急車が到着するまでの対応は非常に重要です。その様な状況になった際の対応の練習やブラッシュアップは欠かせません。

3.アスレティック・リハビリテーション

 ケガをしてしまった選手が競技へ復帰するための専門的なリハビリテーションを指導します。特に手術を必要とする様なケガをしてしまった際には病院でのリハビリだけでは不十分な場合が多いです。

4.コンディショニング

 選手のコンディション管理やアドバイスを行います。

5.測定と評価

 専門的なテストや測定をケガの評価やコンディションのチェックなどで行います。その結果を元に選手の状態などを評価します。

6.健康管理と組織運営

 日頃の体調管理やドーピング違反にならない様に選手の服用する薬やサプリメントの管理。チームに関わるメディカルチームの運営も行います。

7.教育的指導

 なんでもトレーナー任せにするのではなく、セルフでのケアや健康管理などに対する選手への教育も行います。

プレーヤーの安全を守る

 アスレティックトレーナーの最も重要な役割はプレーヤーの安全を守る事です。アスレティックトレーナーはプレーヤーの防げるケガや事故を起こさない為に、気温のチェックやグラウンドの石拾いまで様々な準備や対策をしています   練習中も安全管理に気を配り、プレーヤーや指導者が少しでも集中して練習できるように行動しています。 もしケガで離脱してしまった際には安全かつ迅速に復帰するための計画を立ててリハビリなどを行います。

まとめ

 第1回目の記事としてアスレティックトレーナーがどういう仕事なのかについて書きました。まだまだアスレティックトレーナーの認知度や地位は低いのが現状です。

 毎年スポーツ中の死亡事故がニュースになっています。部員数が多かったり、他の業務もある教員の指導者1人だけという環境ではスポーツ中の安全を確保する事は困難です。1つでも多くの学校やチームにアスレティックトレーナーという存在が普及して欲しいと思っています。

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